John Arbon Textiles

イギリスのノース・デヴォンにある梳毛紡績工場で、糸と羊毛トップを製造している、独立したマイクロビジネスです。イギリスで今なお稼働している数少ない紡績工場の一つで、大切に修復やメンテナンスをしながら、主にヴィンテージの機械を使用して、素晴らしい職人による製品を生み出しています。

使用する繊維を主に近隣の地域から調達していますが、そのほかには必要に応じてフォークランド諸島や世界中の信頼できるサプライヤーを通じて調達しています。

John Arbon Textilesが作る糸と羊毛トップは、ミル(紡績工場)のスタッフによってブレンド・デザインされています。周辺の自然環境や、芸術、音楽、ノスタルジーなど、それぞれの興味・関心がインスピレーションになっています。

ミルからは、常に機械の駆動音が響いています。ヴィンテージマシンの規則的な動き、紡績機や羊毛を加工するギルボックスの駆動機構は、まるで呼吸しているかのように上下に動き、毎日が活気と創造力にあふれています。

ミルは2001年に設立されましたが、伝統にフォーカスしていて、とてもシンプルなコンセプトに基づいています。それは、可能な限り地元で持続可能な方法で繊維を調達し、それをイギリス国内で高品質なトップと糸に加工する、昔ながらの繊維製造への回帰です。

すべての機械は、苦労して収集され、大切に修復されてきました。その多くは、閉鎖された古い伝統的な工場から救出されたものです。
これらの機械を維持していくのには、多大な時間と手間がかかります。歯車、ベルト、オイルレベルの微調整、またはコグの調整などが必要です。それらを稼働させ続けるのは骨の折れる作業ですが、その結果生まれる素晴らしい羊毛の製品は、それに見合う価値があると考えています。そんなわけでJohn Arbon Textilesの全ての機械は家族のように大切にされていて、それぞれ名前がつけられています。紡績機のKevinとか、かせとり機のPigletといったふうに。

繊維を糸にするプロセスは、精練(scouring)、カーディング(carding)、コーミング(combing)、染色の工程から始まりますが、これらはすべて英国国内の別の場所で行われます。

染色された繊維がミルに到着すると、それは3台あるギルボックスのいずれかに送られます。ギルボックスは、ヘアブラシのような構造を使用して繊維をまっすぐにし、整列させます。ギルボックスを最低3回は通過し、通過するたびにその繊維(トップ)は、より均一で、ドレープがあり、光沢のあるものへと変化していきます。

次に、この美しく整列された繊維トップは、紡績機へと移されます。紡績された後の単糸は、繊維が新しい構成に落ち着くまで1週間休ませます。糸の紡績は、決して急いではならない工程なのです。
この休息期間が完了すると、単糸はコーン巻きにされ、その後、撚糸が行われます。

最後に、糸はかせとり機の一つでかせにされます。これらはヴィクトリア朝時代の鋳鉄と木材で構成されたヴィンテージマシンで、何十年もの重労働を経た今もなお、力強く稼働し続けています。

ミルの日々は常に異なりますが、唯一変わらず常にあるのは「充足感」です。できあがった糸やトップを使って編む人や紡ぐ人たちにそれぞれのストーリーがあり、そこにたくさんの時間や技術が費やされるのと同じように、ミルでもたくさんの時間や技術が費やされてそれぞれのストーリが紡がれています。

ミルの様子が動画で見れる Virtual Mill Tour もおすすめです!

  • Zwartbles

    この品種は、オランダのFriesland地方が原産ですが、現在ではイギリスのExmoor地方全域で広く飼育されています。
    この羊は元々濃い茶色の羊で、顔、脚、しっぽに特徴的な白いアクセントがあります。その繊維はボリュームがあって、弾力性があり、ブレンドに加えることで、素晴らしい深みのある色調を生み出します。

    (繊維の細さ)Micron: 35 
    (繊維の長さ)Average Staple Length: 9cm

  • Exmoor Blueface

    この羊は、ミルの最も近隣の地域で飼育されている品種であり、Moorland一帯で点在しているのを見ることができます。
    地元で飼育されている丘陵地の羊Exmoor Hornと、イギリスで最も柔らかい品種の羊として知られるBluefaced Leicesterの交配種で、美しく柔らかく、弾力のある繊維を生み出します。

    (繊維の細さ)Micron: 31 
    (繊維の長さ)Average Staple Length: 9cm

  • Bluefaced Leicester

    イギリス産の羊毛で最も人気のある品種の1つです。そして、それには理由があります!この繊維は、ドレープ性と耐久性の素晴らしいバランスを備えており、ウールらしい弾力少しあります。

    (繊維の細さ)Micron: 28 
    (繊維の長さ)Average Staple Length: 9cm

1 of 3

Grey Exmoor Blueface

色は淡いシルバーで、とても柔らかく、繊細なウールらしい毛羽立ちと豊かな光沢を持っています。
地元で飼育されている丘陵地の羊Exmoor Hornと、イギリスで最も柔らかい品種の羊として知られるBluefaced Leicesterの交配種です。

(繊維の細さ)Micron: 33 
(繊維の長さ)Average Staple Length: 11.5cm

Romney

この品種は13世紀から飼育されており、ケント州のRomney Marsh地域が原産です。
その繊維は細く、控えめな光沢があり、ドレープ性に優れ、わずかな弾力も持ち合わせています。

(繊維の細さ)Micron: 34 
(繊維の長さ)Average Staple Length: 10cm

Falklands Merino

メリノは最も柔らかい羊の品種で、肌に直接触れるウェアに理想的です。素晴らしい弾力があり、密度の高い構造を持っています。フォークランド諸島で飼育されているメリノを使っています。


(繊維の細さ)Micron: 23 
(繊維の長さ)Average Staple Length: 11.5cm