多摩産ヒノキのターキッシュスピンドルの使い方

多摩産ヒノキのターキッシュスピンドルの使い方

*動画は字幕をオンにしてご覧ください*

道具を組み立てる・始め方 その1・始め方 その2

まずは3つに分かれているパーツを組み合わせてスピンドルの形にします。
芯棒に交差する羽根を差し込みます。上端にフックのような金具があり、下部に羽根がある形になります。

羊毛を金具に引っ掛けた状態でスピンドルを回転させると羊毛に回転が伝わり、撚りがかかります。撚りをかけることと羊毛を引き出すことを同時、または交互にバランスよく繰り返すことで羊毛が糸になっていきます。

どんな糸を紡ぐかによって、羊毛の準備の仕方も様々ですが、
「スライバー」と呼ばれる状態にカードされたもの、「トップ」と呼ばれる状態にカード・コームされたものなどがはじめは扱いやすく、ここでは、ロープ状に準備されたスライバーやトップを使う場合を紹介します。
まず少量(一握り)をスッと引き抜く感覚で手にもちます。

そのまま羊毛のふわふわを掴む感じで金具にかけて紡いでいくことができますが、コツをつかむまでうまくいかないこともあるので、
その場合は少し手で引き伸ばした羊毛に撚りをかけて糸状にしたものを金具に引っ掛けて、折りたたんで端を抑えて持って紡ぎ始めるのがやりやすいです。

「回す、止める、引く」の3ステップで紡ぐ方法

コツを掴めば、スピンドルを回すのと羊毛を引き出すのを、同時に行いながら紡ぐことができるようになりますが、慣れるまでは「回したら一度止めて引く」練習がおすすめです。

撚りがかかって糸になっている部分と、撚りがかかっていなくてまだふわふわの部分の境目を左手の指で押さえます。

右手でスピンドルの軸を持って、こまを回す時の要領で回転をかけます。時計回りに回します。(回す向きは反時計回りでも大丈夫ですが、途中で方向を変えずに、必ずどちらか決めた方向に回し続けます。)

十分な回転をかけたら一度とめます。座って膝に置いたり腿などに挟むのがおすすめです。左手で押さえていた部分を右手に持ち替えます。

持ち替えたら左手で羊毛を引き出します。切れないような力加減で。

押さえている右手(下の手)を離すと撚りが左手の方まで上がってきます。

もう一度、撚りがかかっているところとふわふわの境目を持って、ふわふわを引っぱります。

下の手を離すと撚りが上の手のところまで上がってきます。

撚りが上がってこなくなって、ひっぱると切れるだけ、になったらまた回転をかけます。

どんなに回しても、左手で押さえている部分までしか撚りはかからず、その上はふわふわのままである状態になるように、左手で押さえる位置を意識するとコツが掴みやすいです。

羊毛をどれくらい引き出した状態で撚りをかけるかによって、できる糸の太さが変わります。
スピンドルの重さによっても、紡ぎやすい糸の太さが変わります。

紡いだ糸をスピンドルに巻き取る方法

紡いだ糸が長くなったら、スピンドルに巻き取ります。
ターキッシュスピンドルと呼ばれる、羽根のあるスピンドルは、羽根の部分に糸を規則的に巻き取ることで、始めと終わりの両方から糸を引き出せる糸玉を作りながら糸を紡ぐことができます。

いちばんはじめは、スピンドルの芯棒の下の部分に数回糸端を巻き付けておくと良いです。その後はできている糸玉に続けるようにして巻き取っていきます。

羽根2枚の上を通って、羽根1枚の下を通って、を繰り返して巻き取ります。

ちょうどいい長さになったらまたフックにかけて続けて紡ぎます。

④梳毛糸的な糸の引き出し方で紡ぐ

向きを揃えてロープ状に準備した羊毛を、そのまま毛の流れに沿って紡ぐ場合のやり方

⑤紡毛糸的な糸の引き出し方で紡ぐ

向きを揃えて準備した羊毛を、その毛の流れに沿わずに、別の方向に引き出して紡ぐ場合のやり方

⑥紡ぎ終わったら+双糸にする方法

紡ぎ終わったら芯棒を抜き取って、羽根2枚も抜きます。
単糸にする場合はこれで出来上がり!

2本を撚り合わせて双糸にする場合は、再度スピンドルを組み立てます。
出来上がった糸玉の始めと終わり、両端から糸を引き出します。
2本を重ねてフックにかけて、反時計周り(もしくは単糸を紡いだ時と逆向き)にスピンドルを回転させて、撚り合わせていきます。
糸玉から2本の糸が絡まらないようにV字に引き出されるように持って撚り合わせていきます。

単糸を紡いだ時と同じようにスピンドルの羽根部分に巻き取っていきながら、糸玉全部を撚り合わせたら完成!

出来上がった糸をかせの状態にして、ぬるま湯につけた後に、吊るして重しをして乾かすと撚りが落ち着きます。私は糸によっては撚り止めをせずにそのまま編んでしまうこともあります。

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